すずめの戸締りを観た感想。つまりネタバレ。2022/11/14

観終えた後、一番最初に思い出したのは**『いってらっしゃい、気を付けてね』**と人を送り出すと交通事故に遭う確率が減るんだってという昔聞いた噂だった。 『気を付けてね』と聞いた人は無意識に注意を払うようになるからだとか。 そんなウソかホントか分らんものだけど、私はいつの間にか言うようになってたなと。

でも、行ってしまった人が返ってこない。 おはようをもう一度言うことが出来ない時がいつか突然来る。来てしまった。そういう話だった。

災害にあった人たちの話、自然には抗えないという風なテーマを扱ってはいたけれど あまりにも濃く3.11の震災に重きを置いているので、当事者の方々はいろんなことを呼び起こしてしまうかもしれない。 警報の音とか特に。

あの日の 行ってきます、いってらっしゃい。おはよう。が飛び交うシーン。

実際におかえりって言えなかった人達が沢山いたんだと、裏返しに強調されているようで とても生々しくて重くて一番印象的だった。

私は結局本当の当事者じゃないから、 最後の戸締りをするシーンのいつか光りが来るというメッセージを受け止めることが出来たけど、観た方はどう受け取ったんだろう。

すずめのように前を向くことが出来た人はこの10年ほどでどれくらいいるんだろう。

きっと色んな賛否が生まれる作品だけど、これからも新海さんには作りたいものを作って欲しいなと思った。

余談 パンフレットに魔女の宅急便に影響受けたとあったけど、 正直めちゃジブリだった。でもこれはとてもいい意味で、 ああこの人は宮崎駿になってくんだな、日本のアニメ映画はなんとか生き永らえた。とすごく安心した。 あんなに孤独で寂しいものを作ってた人が いつの間にかこんなに大きなテーマを扱えるようになってて、なんか勝手に良き出会いがあったんだな。良かったなと思ってしまった。

草太のビジュが癖すぎたので動くとこたくさん見たかったな… 椅子もかわいかったけど 『椅子が体になじんだ!』って爆速でかけていく所シュールすぎて面白かった。